中国の新型コロナウイルス騒動をわかりやすく解説ー予防で気を付けたいことも

2020年6月9日中国,台湾,新型コロナウイルス

henan

中国の新型コロナウイルスですが、筆者が以前住んでいた河南省・鄭州市の知人からの情報で、現在封鎖状態になっているとのことです。

今回は中国の新型コロナウイルスの概要についてと、予防で気を付けたいことをわかりやすく解説します。また筆者の住んでいる台湾と、知人のいる河南省・鄭州市の現状をお届けします。

 

中国の新型コロナウイルスとは?

厚生労働省による説明は以下の通りになります。

コロナウイルスは人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。人に感染症を引き起こすものはこれまで6種類が知られていますが、深刻な呼吸器疾患を引き起こすことがあるSARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)以外は、感染しても通常の風邪などの重度でない症状にとどまります。詳細は、国立感染症研究所の情報ページをご参照ください。

基本的に「SARS-CoV」と「MERS-CoV」ーいわゆる「SARSコロナウイルス」と「MERSコロナウイルス」ですねー以外は、重症にはならないという認識です。

今回の新型コロナウイルスに関連した肺炎の発生報告が最初にあったのは、去年(2019年)の12月です。

発生したのは、中国の湖北省・武漢市です。中国の中心に位置した内陸部ですね。一千万人以上の人口を抱えた都市です。そのため中国では武漢肺炎」とも呼ばれています。

最初は「原因不明の肺炎」だったのですが、今年(2020年)の1月7日に新種のコロナウイルスと確認されました。

また1月9日には最初の死者61歳の男性)が出ています。ただこの時点での武漢市衛生健康委員会の報告を見ると、ヒトからヒトへの感染は確認されていません。

1月13日にはタイでの感染者が確認され、以降世界で感染者が確認されています。日本においても1月30日の時点で9例目が確認されたとの報告が厚生労働省からありました。

ただ厚生労働省は「我が国では流行の認められる状況ではない」としています。

新型コロナウイルス感染症は、我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

日本での確認例は少ないので、根拠不明の情報に振り回されず、落ち着いて行動を取るように指示しています。普通に風邪やインフルエンザとおなじ対策をとってください。

【追記】現状、日本での感染が拡大していますが、個人が取れる対策には限度があります。インフルエンザとおなじような対策に加え、人の多いところへ行くのを控えるのがよいでしょう。

 

致死率について

今回の新型コロナウイルスは、SARSウイルスに類似したウイルスです。

NHKの報道によると、現在の中国での死者は170人、患者数は7711人になりました。

ただ現在のところ、WHO(世界保健機関)によれば致死率は3%ていどとされています。SARSウイルスのときは10%ぐらいはあったので、それに比べればまだ致死率は低いほうです。

3%ならかかっても助かる可能性は高いニャ。

健康な人はそうでしょうけど、みんながみんなそうではありません。

それに致死率が低いといっても、新型コロナウイルスは潜伏期間が長いという問題があります。

かかってもすぐには発病せず、最大で14日潜伏します。つまり症状がないと思っている健康な人があちこちに移動し、ウイルスを拡散する可能性があるということです。

あなたが新型肺炎にかかって死ななかったとしても、あなたを経由してべつの人が死ぬ可能性もあるのです。家に高齢者がいるばあいはとくに注意が必要です。

それと致死率とはべつに、約20%が重症化するとの報告もあります。

ただ前述したように、日本ではまだ流行が認められている状態ではありません。基本的には風邪やインフルエンザとおなじ予防(うがい、手洗い、マスクなど)をすればいいでしょう。

【追記】日本で感染の広がりがあらわれています。上記の対策はもちろん、不必要に人の多いところへ行くのは控えたほうがいいでしょう。

 

症状と予防で気を付けたいこと

WHOによると、自覚できるおもな症状としては以下のものがあります。

・発熱
・筋肉痛
・倦怠感
・乾いたせき
・吐き気
・息苦しさ、胸の圧迫感

発熱せずに死亡した患者もいるので、かかったとしてもかならずしも熱が出るとはかぎりません。

予防方法についてですが、現状、風邪やインフルエンザとおなじ予防以外の方法はないかと思います。

何度も述べているように、うがい、手洗い、マスクの装着です。

手洗いについてはアルコール消毒をするのもいいでしょう。

気を付けたいのは、この時期を利用して効果不明の薬品を売ってきたり、「免疫力が付く」などといって効果不明の健康食品や食材がもてはやされたりなどといったことが多くなる可能性があります。

筆者のいる台湾でも、「〇〇が免疫力がついて良く効く」みたいな根拠のないうわさ話がよく飛び交います。

【追記】現状、病院が込み合うことや院内感染、日本での感染が広がっていることから、厚生労働省が方針が打ち出しました。

・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)があるばあい

以上の症状があるばあい、最寄りの「帰国者・接触者相談センター」へ電話してください。

このリンクから、自分の県を選択すれば電話番号がわかります。

また厚生労働省の電話相談窓口も利用できます。

厚生労働省電話相談窓口
電話番号:0120-565653
受付時間:9時~21時(土日・祝日も実施)

 

河南省・鄭州市の状況

中国国内の状況について、現在封鎖中の河南省・鄭州市にいる知人からの情報を掲載します。

河南省は、武漢市のある湖北省のすぐ北に位置していることから、感染者が出やすい地域とされています。そのため他の都市から車が入ってくるのも、鄭州のナンバープレートの車が他の都市へ行くことも禁止されています。

さらには鉄道もすべてストップ状態になっています。基本的に都市間のすべての交通手段は全部ストップさせられています。

親族間の行き来も避けるようにともいわれています。「この春節は本当に異様な緊張感のある日々だった」とのことです。

それと学校のほうですが、小学校の新学期は2月9日からだったのですが、延期になるとの知らせがありました。また大学のほうも延期になります。

いまはとにかく外に出るな」と強くいわれており、封鎖解除までさらに二週間ほどかかる可能性があります。

河南省で感染者が多かったのは、武漢に近い信陽と南陽です。

筆者が小学生のころ、初めて中国に行ったときはまだ高速道路もありませんでした。しかし現在では交通が便利になったことにより、新型肺炎も広範囲に広まるようになってしまいました。

以下は知人からのコメントです。

とにかくいまは歯を食いしばって我慢する日々を過ごしております。ずっと家にいますが、決して楽ではないのです。子どもの冬休みの宿題のチェック、ピアノの練習、英会話の練習……。いまの子どもは本当につらいです。やらなければならないことは山ほどあります。

本当に大変そうニャ。

長引くと本当に大変ですね。このままだと経済にも大きな影響が出そうです。

高層マンションに住んでいる人たちは、夜になると窓からみんなで国歌をうたって勇気づけているというのもあるようです。しかし窓の外に向かって歌をうたうと飛沫あるのでやめるよう警察から注意されたとのことです。

あと食べ物などの問題ですが、大型スーパーで普通に購入できます。ただ入るときに体温チェックなどを受けなければならないとのことです。

 

台湾の状況

台湾は、中国と行き来する人が多いので、ちょっとしたパニック状態になっています。

ニュースでは連日のように新型肺炎の話題ばかりですし、前述したように「〇〇を食べると免疫力がつく」というような根拠のない怪しげな情報が飛び交っています。

あとどこの店でも使い捨てマスクが売り切れています。

こういうことがあると、すぐに買い占める人が出てきますね。

使い捨てマスクが入手できない人は、布のマスクを使うといいかと思います。布のマスクならまだ売っているかと思います。

ちなみに現在のところ台湾の感染者は9人で、日本同様、流行というレベルではありません。風邪やインフルエンザとおなじ対策をすればいいでしょう。

あと台湾政府は、武漢に残された台湾人のためにチャーター便を送ろうとしているのですが、中国政府には無視されています。

「台湾は中国」という認識なので、自国民を台湾に送る理由がないということなのでしょうか。現在でも中国からの回答はないままです。

 

まとめ

新型コロナウイルスですが、厚生労働省の報告どおり、日本ではまだ流行という段階には至っていません。

ただ今後どうなるかわからないので、インフルエンザや風邪などとおなじ予防対策をしておきましょう。うがい、手洗い、マスクです。現状、これ以外にありません。

そのいっぽうで、誰が書いたかもわからない根拠不明の情報を信じないように注意しましょう。ネットの情報より医者のほうが確実です。

とにかくうわさに振りまわされず、適切な行動を取るようお願いいたします。