中国が学習塾規制、少子化対策に本格着手ー教育費負担軽減へ
2021年7月24日、中国政府が学習塾新設の規制方針を発表しました(読売新聞2021年7月26日記事)。

そうではなくて、これまで中国は「一人っ子政策」をとってきたことから、各家庭は子供に多くの教育費をかけてました。とくに都市部の人たちは教育熱心ですね。知人の子もそうなのですが、塾通いに加えて習い事もたくさんあって、かなり大変な様子です。
学習塾も、ひとりでも多くの生徒を獲得しようと、優秀な教師をそろえたり、ばあいによっては学校教師を高い給料で引き抜いたりといったことがおこなわれてきました。
さらには上場して株を発行し、資金調達をするなど、苛烈な競争が繰り広げられています。

中国は日本以上に資本主義ですしね。
親は子供のために教育費を惜しみませんので、学習塾の競争もし烈化します。
そこで、競争激化を防ぐため、学習塾の新設を禁止しました。

さらには、既存の学習塾は「非営利団体」として登録させ、株式上場も禁止します。夏休みの授業も禁止だそうです。

さらに中国は宿題が多いという問題もあります。
とても一日で終わらせられないような量を出してくる小中学校もあります。子供が家に帰ったら、夜までずっと宿題ばかりしているといった状況もめずらしくありません。
中国では日本のように部活が盛んではありませんが、そもそも部活とかやっている時間がないのです。宿題が多すぎて。
また宿題には、子供の両親ですら解けないという難問まであります。
そのため、宿題代行といったサービスまで存在しています。

本当に意味がわからないぐらい宿題が多いですね。
そのため、中国政府は、小中学校の宿題の量を制限する方針も打ち立てています。
具体的には、小学1~2年生は筆記型の宿題無し。3~6年生は1時間以内、中学生は90分以内に終わるもののみとのことです。

ここまでする背景として、中国の少子化が挙げられます。
中国では一人っ子政策によって人口を抑制していたのですが、少子高齢化が進んできたので、現在では実質何人産んでもいいような状況になっています。
しかしそれでも、少子化は改善されません。
子供にお金がかかるのはどの国もおなじですが、中国はとくに教育費が高騰しています。
学習塾や宿題の規制は、教育への負担をおさえ、子育てをしやすくするという狙いがあります。

まあ、政府が学習塾を規制して勉強量をおさえても、親御さん方は家庭教師を雇ったり、オンライン学習をさせたりなどで、いろいろ抜け道を利用して勉強させるとは思いますね。

そもそも勉強量をおさえたぐらいで少子化が解決するかは微妙なところです。
しかもこのことから企業収入減少が懸念され、中国株全体が大きく下げてしまっています。

日本のばあいは、平均年齢がすでに48歳以上になってしまっていますしね。
民主主義の多数決システムだと、若い世代が勝ちようがありません。
少子化問題のことを政治家が訴えても票がとれませんので、けっきょく老後問題や年金問題、介護などを重視するようになってしまいます。

おなじ民主主義国家でも、アメリカのばあいはまだ人口が増え続けています。しばらくは大丈夫そうですが、日本のばあいは年々若い世代が追い詰められていく結果になるかと思います。

少子化が進めば経済力も落ちていきます。若い方たちは、日本にこだわらず、海外で働くことも視野に入れたほうがいいかもしれませんね。