株式の「スピンオフ」を小学生にもわかりやすく解説ー株主はどうなるの?
アメリカの大手通信会社AT&Tが、傘下のワーナーメディアをスピンオフするとの発表が、今年5月17日にありました。
CNNもワーナーメディアですね。
スピンオフとは、親会社から子会社を切り離し、独立させることです。
ワーナーメディアは2018年、AT&Tに買収されました。
しかし今回スピンオフによって2022年に独立し、それからディスカバリーと統合される予定です。
今回はスピンオフの仕組みと、会社や株主がどうなってしまうのかについて述べていきます。
スピンオフ制度とは?
前述したとおり、親会社から子会社を切り離して、独立した会社にすることです。
スピンオフ制度を利用せずに、普通に子会社を分離してしまったばあい、理論上、その子会社の価値だけ親会社の株価が下がることになります。
たとえば子会社に、親会社全体の40%の価値があるとすれば、子会社を分離したばあい、株価が40%下がります。
スピンオフのばあいは、株主は独立した子会社(新会社)の株を受け取れることになります。
つまり親会社の株価が40%落ちても、その40%分と同等の株式を独立した子会社(新会社)からもらうことができるのです。
AT&Tの株主は、スピンオフによって新たに新会社の株式をもらうことができるということですね。
株主にとっての、スピンオフのデメリット
ちょっと面倒なことがありまして、スピンオフによって得た新株は、一般口座に入れられます。
一般口座で株を売却したら、確定申告が必要になりますね。
さらに取得価格も自分で計算しなければなりません。
無理です。
「確定申告が面倒くさい」という方は、スピンオフ前に株をすべて処分してしまったほうがいいでしょう。
AT&Tのスピンオフについて
AT&Tはワーナーメディアをスピンオフし、ディスカバリーと統合することにより、「Netflix」や「ディズニー+」に対抗する新たな動画配信サービスを打ち立てようとしています。
ワーナーメディアの「HBOMax」と、ディスカバリーの「ディスカバリー+」が合わさることになるので、そこそこ人気が集まるのではないかと思います。
新企業はDisneyに次ぐ世界第2位のメディア企業になるとの試算も出ていますね。
そうともいえず、現在株価は値下がりしています。
というのも、AT&Tはもともと高配当株で知られていますが、スピンオフ後に配当金が40~50%減額になる予定だからです。
配当目当てで投資していた人たちが、減配の発表に嫌気がさして売却処分したのですね。
ただ筆者的には、高配当株は、配当のぶんだけ税金も多く払わないといけなくなるので、40~50%減ぐらいはべつにいいのではないかと思います。
むしろ新株が一般口座に移されるのが面倒くさいです。
まとめ
スピンオフは、親会社の株主なら新会社の株をもらえますので、将来的に伸びる可能性があれば大きなメリットになります。
しかし新株は一般口座に入れられてしまうので、売却するときは確定申告が必要になります。
また取得価格は自分で記録しておかなければなりません。
面倒くさい人は、スピンオフ前に売却するなりなんなりすればいいでしょう。