若い人は投資をしないほうがいい理由

2021年4月16日仮想通貨,投資

investment

前回は「仮想通貨「イーサリアム」を小学生にもわかりやすく解説」の記事を書きましたが、今回は若い人の投資についてです。

というのも、この前、あまりにひどい投資ブログがGoogleの検索上位にあったからです。

その内容というのは、「仮想通貨が1000倍以上になる」「仮想通貨で『億り人』になろう」「てっとりばやく資金を増やそう」みたいなものです。

増やせるんだったら自分でやれニャ。

もちろん責任を逃れるため、「自己責任でおねがいします」云々の注意書きはあります。

このブログが悪質なのは、「急いでお金が必要な方は、いますぐ〇万円借りれるこちらへ」と、あろうことかカードローンに誘導しているのですね。

仮想通貨が爆上がりすると煽って、さっさと金を借りて仮想通貨を買えってことのなのニャ。自分で借りて買えニャ。

お金のない若者がこのようなものにひっかかって、人生をおかしくしてしまうという事態は避けるべきだとは思います。

そもそも投資は余剰資金でやるものであって、お金を借りてやるものではありません

お金を借りてまでやったら、それはもはやギャンブルです。

お金がない人は切羽詰まっているから、判断を間違えるニャ。

若い人が投資にお金をかけないほうがいい理由を、これから述べていきます。

 

そもそも投資とは?

投資というのは「お金に働いてもらう」ことです。

銀行の利息が年率1%なら、100万円を1年あずければ101万円になります。

ただ現在の多くの銀行の利息は、0.001%とかいうレベルです。

楽天銀行で、楽天証券と口座を紐づけることで年率0.1%にすることもできますが、しょせん0.1%です。

ほんとうにあずけているだけなのニャ。

90年代のバブル期にはあずけるだけで年率5%とかありましたけど、そんな夢物語はもはやありません

5%だったら、投資とかやらなくていいのニャ。元本保証の銀行一択ニャ。

ちなみに筆者が中国で使っている中国銀行は、3年定期で年率3.85%なのであずけっぱなしにしています。

中国は景気いいニャ

中国は物価も上がっていますから、これぐらいじゃないと困るというのもありますね。

日本は逆にデフレからなかなか脱出できないというのがあります。

物が安いのは、べつに悪いことではないのニャ。

バブル期とかですでにあるていど稼いでいて、貯金が多かったり年金もらっている人にとってはデフレはいい環境です。

しかし、これから働く若い人にとっては、「デフレ=給料が安い」ですから、物が安くても給料も安い状態なので、貯金もなかなか貯まりません。

銀行に置いても増えませんし、そこで一発逆転の投資……という誤った考えに進みがちです。

すべて貧乏が悪いんニャ。

話をもどしまして、現在の日本で、投資で安定的に年3%も出せればすごいほうかと思います。

若い人は貯金もありませんので、投資できる額も少ないでしょう。

たとえばなけなしの100万円を投資したとして、3%で得られるのは3万円です。

3万円という値段は、バイトを3~4日やれば得られるていどの値段です。

就職すれば、3万円はたいした額ではなくなります。

しかし投資した100万円は、マイナスになるかもしれません。

たった3万円のために、100万円が減るというリスクを取りに行く必要はあるでしょうか。

あまりおいしくないニャ。

 

「個人投資家」という罠

お金は働けば稼げる

先ほどもいったように、3万円はすぐに稼げる値段です。

それよりも自分のスキルアップに投資して、年収をアップさせたほうがはるかにもうかります

投資家という仕事もあるのニャ。

どこかの証券会社に就職して給料をもらうのならOKです。

動かすのは人のお金ですから、損しようが自分は給料がもらえます

アクティブファンドのほとんどがもうからない理由ニャ。

証券会社への就職はOKですが、若い人が自分のお金を使う「個人投資家」を本業にするのはすすめません

すすめませんというか、知り合いだったらやめなさいといいたい。

成功している人もいますけど、それはひと握りです。

ひと握りの例を出して、「だからもうかる」と考えるのは頭の悪い人の思考です。

世の中には「統計」という便利なものがあるニャ。

毎月数千円~数万円ていどの積み立てで長期投資するのはかまいません。

これは現金で置くか、他の金融資産で置くかの違いだけで、分散して貯金しているのとおなじことです。

また分散投資をすることで、将来のインフレ通貨危機に備えることもできます。

ただこれはあくまで貯金の一種なので、なにかあるときまでは引き出さないことが前提です。

もうけようという話ではないのです。

現金で置くか、それ以外の形で置くかということニャ。

しかし売ったり買ったりを頻繁にやるのは、お金をもうけるためです。

そしてこの方法は確実ではありません

もうかるとはかぎらないのニャ。

スキルの付く仕事と付かない仕事

若い人がお金をもうける確実な方法は働くことです。

働くといってもいろいろな形がありますが、できればスキルが身に付く仕事に就いたほうがいいでしょう。

スキルが上がれば、それだけ給料も上がっていきます。

転職や起業もやりやすくなります。

取引先も増えるでしょう。

若いほうが物覚えもいいですし、努力することもできます。

この大切な期間を、なんのスキルにもならない投資に費やすのはもったいないことです。

長く投資をやっていると、投資スキルが付かないのかニャ?

付きません。

投資は何年やってもスキルは付きません

投資を長くやっている人ほどもうかるということは無いのです。

が適当に選んだ銘柄がプロのファンドマネージャーに勝ったという例もあります。

ニャンと!?

「猿がダーツを投げて選んだ銘柄で組んだポートフォリオと、プロが選んだポートフォリオの成績が大差ない」という有名な話もありますし、長くやっているからといって毎年コンスタントに勝てるわけではないのです。

適当に選んでるレベルとおなじなのニャ。

また、入社1年目と2年目のトレーダー、3年目と4年目のトレーダー……というふうに、7年目と8年目のトレーダーまで組ませてパフォーマンスを調べたところ、相関関係が無いに等しいということもわかっています。

つまり、トレードにかかわった期間とパフォーマンスはまったく比例しないのです。

本当にスキルがついてもうかるのなら、証券会社が金利の安い銀行から金を借りて自分で運用すればいいのです。

個人からせこく金を集める必要はありません

本当にもうかるなら、いまなら低金利で銀行から借りられるニャ。しょぼい金額を個人から集める必要がそもそもないニャ。

長期投資は前述したように貯金やリスクヘッジの意味合いがありますが、短期売買で勝ち続けるのは至難のわざだと思ったほうがいいでしょう。

そういうわけで証券会社に就職するのはすすめますが、少ない資金で個人投資家になることは、キャリアの面からも避けたほうがいいでしょう。

仕事をしているかぎりはお金が入ります

そのお金を貯金代わりに投資にまわせます

投資だけやっていたら、お金が減ったときに補填できるものはありません

成功話だけを聞いて「自分も個人投資家になれる」と思うのは、宝くじに当たった人を見て「自分も当たる」と思っているのとおなじです。

成功した人もいるけど、統計的には稀な例なのニャ。

 

まとめ

投資の勉強をするのはいいのですが、若いうちからそれで食べていこうと考えるのは危険です。

そもそも若いうちは資金がないのですから、そんな少額が数%増えたところでたかが知れています

若いうちは仕事で稼いだほうがはるかにもうかります

親が石油王ならまだ話はわかりますが、スキルの付かない「個人投資家」という仕事を長年続けても、年齢が上がるごとにどんどん追い詰められていくと思います。

なんの職歴もない無職になってしまうニャ。

それでもやりたいのであれば止めませんが、若いうちはスキルの貯まる仕事をして、給料の一部を貯金代わりに長期投資にまわすぐらいでいいかと思います(貯金なので引き出してはいけません)。

もうけることは考えないほうがいいです。

投資するなら自分のスキルアップに投資したほうが有意義とは思います。

簡単に稼げる」「手軽にもうかる」みたいな言葉にひっかかって、借金してたら元も子もないのニャ。