中国のクラウドサービス「百度网盘(百度云)」は本当に海外から使えなくなったのか?
百度(バイドゥ)が運営するクラウドサービス「百度网盘(百度云)」ですが、現在海外から新たにアカウントを作ることができない状態になっています。
アカウントを作れないだけならまだいいのですが、中国で登録した電話番号を海外の電話番号に変更できないため、すでに使用している人が海外から使用するのが困難な状況になっています。
今回は実際に海外から百度网盘が使えないのか検証してみました。
百度网盘(百度云)とは?
百度网盘は百度の運営するクラウドサービスです。2012年からサービスが始まりました。
もともとは「百度云」という名前でしたが、2016年に「百度网盘」に改称されます。
百度网盘は無料で使えるストレージ容量が1Tという大盤振る舞いによって多くのユーザーを獲得。
しかも1カ月でも有料会員になったばあい、有料会員をやめたあとでも容量が永久に2Tになるという、他の追随を許さないサービスでした。
とくに中国ではグーグルやDropBoxなどのサービスが使えないので、筆者も百度网盘に頼らざるを得ない状況でした。
サービス開始時は海外からのアカウント登録も可能だったのですが、今では中国の携帯番号でしか登録することができなくなっています。
このことから、台湾人などを相手に、百度のアカウントを販売する業者もネットショップであらわれました。
しかし他人からアカウントを買うのはおすすめできることではありません。あとでログインできなくなったときに売り手が消えてしまったらどうにもならないですし、なにかあったときに自分で対応することができません。
海外から百度网盘にログインできない理由
百度网盘のアカウントは、百度のアカウントによって一括管理されています。
ログイン時は中国で登録した携帯番号にSMSがとどくため、海外からだとアクセスができません。
微信(WeChat)など他のサービスは海外の携帯番号に変更できるのですが、百度はそれをやらせてはくれません。
著作権については、中国はアメリカにいろいろいわれているので、海賊版の温床であった動画サイトや百度网盘を海外にオープンにするのはかなり不都合なことかと思われます。
海外からのログインを実際に検証
ブラウザからのログイン
まずブラウザでのログインを試してみました。
筆者のブラウザには、中国でログインしたときの情報がそのまま残っています。そのため百度网盘にアクセスすれば、ログイン作業なしで自分のストレージを見ることができました。
ただし、他人から送られてきた共有用のアドレスはVPNがないと開くことができません。
ブラウザでログインなしで入れる状態のばあい、当然ながらログアウトするとまたSMSチェックからになってしまうので気を付けましょう。
PC用アプリからのログイン
PCで百度网盘のファイルをダウンロードするには、専用のアプリをインストールする必要があります。
筆者はつい数日前までログインなしでアプリに入ることができたのですが、いまはロックがかかってしまいました。
これを解除する方法は2つで、
1、SMSにとどくコードを使う。
2、スマホの百度网盘アプリでQRコードをスキャンする。
があります。
1のSMSを使う方法は、海外にいるので無理です。
2の方法ですが、スマホの百度网盘アプリにログインなしで入れる状態であれば、ロック解除することは可能です。
スマホ用アプリからログイン
中国でログインしている状態でそのまま海外へ行けば、ログアウトしないかぎりは使い続けることができます。
ただしログアウトしてしまうと、再度のログイン時にSMSによる検証が必要になります。
中国から他国へ行くときは、アプリはログアウトしないように注意したほうがいいでしょう。
まとめ
中国のネットサービスは、中国から出国するときはログアウトしないように注意すれば使い続けられます。
中国で使っていたデータや写真を海外で取り出したいときは、ログイン状態になっているスマホのアプリをアンインストールしたりしないように気を付けましょう。
ただ海外にいるのなら他のクラウドサービスがありますので、筆者としては百度网盘を使い続ける必要性をあまり感じません。
中国で使っていたときのデータや写真を取り出すことさえできれば、新規に保存するものは海外のサービスを使ったほうがいいかと思います。
また中国から出国するときにデータをHDDなどに移し替えておくのもいいでしょう。