「NISA(ニーサ)」のデメリットをわかりやすく解説
前回、「「iDeCo(イデコ)」のデメリットをわかりやすく解説」の記事を書きましたが、今回はNISA(ニーサ)のデメリットについてです。
NISAは日本個人貯蓄口座(Nippon Individual Savings Account)の英語の頭文字を取ったものです。
NISAには、通常の一般NISAと積み立てNISAの2種類があります。
前回もNISAについてちょっと書きましたが、猫でもわかるようにおさらいからはじめましょう。
そのあとで、どうやって投資するのがいいのか、デメリットはなんなのかについて述べていきます。
3種類のNISAについて
NISAには2種類あります。
一般NISAと積み立てNISAです。
一般NISAは、年に120万円を最長5年まで、
積み立てNISAは、年に40万円までを最長20年まで
投資することができます。
それとジュニアNISAというのがあるのですが、ちょっと特殊なので、別枠としてあとで話をします。(追記)ジュニアNISAのデメリットについての記事を書きました。この記事の最後にリンクがあります。
NISAの投資で得た利益は、通常だと20%の税金がかかりますが、これが無税になります。
一般NISAは合計120万円までの投資信託などをいつでも購入できますが、
積み立てNISAは毎月投資しなくてはなりません。
年間40万円の枠をギリギリまで使おうとすると、月に約3.3万円まで投資できます。
片方だけです。
前回説明したiDeCoと違って、口座管理費が無料になっている証券会社が多いですし、売買手数料も無料がほとんどです。
そのかわり、iDeCoは確定申告時の節税効果が大きいです。
投資したぶん、全額所得控除対象です。
これは前回の記事を読んで理解しておくことをおすすめします。
NISAのデメリットというのは、iDeCoと違って、確定申告時の節税効果がないことぐらいです。
べつにボロクソはいってませんよ。
iDeCoのほうは手数料やら口座管理費やらで、ちょこちょこお金をとっていくやり方はあまり好きではありませんが。
あとiDeCoは60歳まで引き出せないことや、暴落しても70歳までしかホールドできず、強制現金化という罰ゲームが待っているというギャンブル性の高さがあります。
ちなみにiDeCoはホールドしているあいだも、毎月口座管理費がかかります。
また受け取り時も1回440円かかります。
年12回の受け取りにすれば、それだけで年間5280円です。
さらにこれを5年以上、20年以下の期間で受け取らないとなりません。
一時金で一括受け取りの場合は、退職金の税金が適応されます。
分割で受け取るばあいでも年金に対する税金がかかり、引き出し方を間違えると普通に損するので注意です。
NISAはこういう手数料や口座管理費、税金がらみの面倒がないのがいいですね。
何度もいいますが、iDeCoは節税効果が大きいので、それ狙いでいく人には利益があります。
とにかくiDeCoで損しないためにも、前回の記事を読んでおくことをおすすめします。
年収が少なくて節税効果が見込めず、投資目的ならNISAのほうがいいでしょう。
またNISAはいつでも現金化できるので、資金に難がある人もNISAのほうが安全でしょう。
それは人それぞれで。現金だけという状態も安全とはかぎりませんし。
次にNISAのデメリットを見ていきましょう。
NISAのデメリット
NISAのデメリットですが、確定申告時の節税効果がないこと以外は、損益通算ができないことです。
たとえば利益が出たものと、損したものを合わせることで、利益にかかる税金を安くする(もしくは損失として税金を払わなくする)ことができます。
課税口座で株とかを買って利益が出たばあいに、NISA口座の損失を利用することができないということです。
NISA口座しか利用していなければ、たしかにどうでもいい話です。
それとNISAには投資期限があることです。
NISAは、現在のところ永遠に存続する制度ではなく、
一般NISAは2023年(2024年以降は新NISAに移行)まで
積み立てNISAは2037年(法改正で2042年まで延長)まで
で終了します。
これ以降は、NISA口座を使った投資ができなくなります。
今年から始めれば3年分=360万円までの投資が可能なので、利用したい人は早めに利用するのがいいでしょう。
それと購入できなくなるだけなので、口座自体は5年間ホールドできます。
そういうことですね。
一般NISAは2024年以降は新NISAに移行します。これはまた別のところで話をしましょう。
いっぽう、積み立てNISAのほうは2042年までなので、まだじゅうぶん時間はあります。いまから長期投資がしたければ、積み立てNISAを利用したほうがいいでしょう。
現金化してもいいですし、一般口座か特定口座にそのまま移動させてもOKです。
というか、なにもしなかったら、自動的にそれら課税口座に移動します。
そして元本はそのときの値段になります。
損してても、損した値段がそのまま元本になります。
そのあと元の値段にもどったばあい、それは利益と見なされて、売却時には20%の税金がかかります。
またロールオーバーといって、新たなNISA枠に移動させることができます。これによって5年延長できます。
積み立てNISAのほうもNISAとおなじで、20年経つと現金化するか、一般口座か特定口座にそのまま移動するかになります。
ロールオーバーはありません。
それと積み立てNISAは、
「投資信託Aを売って、投資信託Bにスイッチングする」
ということができません。
買ったあとは売るだけです。
アクティブに投資する人は、iDeCoのほうがいいかもしれませんね。
どこに投資をすればいいのか
これはiDeCoでも説明しましたが、信託報酬の安いものです。
たとえば信託報酬が1%なら、毎年無条件で1%の資産が減っていきます。
つまり毎年1%以上もうからないと、ずっと赤字を垂れ流しまくりという状態になります。
投資の世界だと、コンスタントに年間3%稼げていればすごいという世界ですしね。
投資信託にはアクティブファンドとインデックスファンドがあり、アクティブファンドはファンドマネージャーが投資先を見つけてファンドを組むので、信託報酬が高いです。
いっぽうインデックスファンドは、日経平均やS&P500に連動するように株を購入しているので、とくに調査も必要ないため、信託報酬が安いです。
そして現在のところ、パフォーマンスはインデックスファンドのほうがいいという状態です。
長期投資のばあいは、信託報酬の安いインデックスファンドがおすすめですね。
とにかく信託報酬を見るくせをつけるのがいいでしょう。
まとめ
NISAはいつでも現金化できるという気軽さがある一方、iDeCoのような節税効果やスイッチング(投資信託の入れ替え)ができないというデメリットがあります。
ただ、「とりあえず投資をはじめてみたい」という人は、NISAは便利な制度なので、利用しない手はありません。
課税口座でやってもうかっても、20%の税金が取られますしね。その点、NISAは無税です(期間内なら)。
期間が終わっても、課税口座に移行してそのままホールドということもできますので、好きなタイミングで売却することができます。
iDeCoは60歳まで引き出せないし、受け取るときの税金計算とかいろいろ面倒がありますからね。
デメリットを理解して、投資の第一歩として利用するには、NISAは良い制度だとは思います。